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(発行日 2026年4月15日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター
はじめに
税理士 坂部 達夫
令和8年度の税制改正で、貸付用不動産と不動産小口化商品の相続税評価の見直しが行われました。「現金で持つより不動産で持つ方が相続税が安い」という歪みを利用した過度な節税スキームを封じ込めるのが目的です。貸付用不動産については、取得・新築から5年以内に相続・贈与が発生した場合、従来の路線価評価ではなく、「実勢価格(時価)」または「(取得価額±地下変動分)の80%相当」で評価されます。さらに、不動産小口化商品については、取得時期を問わず、一律で「実勢価格(時価)」による評価へと厳格化されます。
これらの改正により相続直前の不動産購入による相続税圧縮効果がほぼなくなります。これらの適用は令和9年1月以降の相続・贈与から適用されるため、既存の対策の見直しや、5年超の長期保有を前提とした計画が必須となります。
今月のトピックス
「庭」を活かした空き家の再生を考える |
ガーデンデザイナー 保立 美智子
1.空き家問題に向き合う時代背景
「実家をどうするか」。そうした問いに直面する方が、近年ますます増えています。高齢の親が他界したり、施設へ入所したことをきっかけに、長年住み慣れた家が空き家となる。しかし、思い出が詰まった家を取り壊すことには抵抗があり、結果として維持管理に悩む例が少なくありません。特に遠方に暮らしていると、庭の草木が伸び放題になったり、防犯・防災面の不安、ご近所への迷惑や、兄弟姉妹間での話し合いの難航といった課題が浮上します。相続した家をどう活かすか——その判断に迷いながらも、対応に踏み切れないケースは多く見受けられます。
2.「庭付き空き家」の再生という選択肢
こうした中、注目されつつあるのが「庭付き空き家の再活用」です。一見、管理が大変そうに思える庭も、実は大きな魅力へと転換できるポテンシャルを秘めています。例えば、築40年の戸建住宅では、室内は水回り中心に最小限の改修、庭は雑草除去・古木の整理・防草シートや人工芝の導入により、手間の少ない景観へと整備。管理負担を軽減しながらも、緑のある暮らしを叶える住まいとして子育て世代に賃貸されました。また、広すぎる庭の一部を駐車スペースへ変更し、家庭菜園だけを残した事例もあり、新しい暮らし方に合わせた“庭の最適化”が、資産の魅力を引き出す鍵となっています。
3.庭の印象が左右する価値と印象
空き家を「資産」として再活用するためには、建物だけでなく、庭の整備が欠かせません。建物が改修されていても、庭が荒れたままだと、内覧時の印象を損ねてしまう可能性があります。反対に、庭が整っていれば「大切にされてきた家」という安心感や信頼感を与えます。近年では、相続した空き家を「古民家民泊」や「週末住宅」として活用する例も増えており、それに応じた庭のしつらえや、四季を楽しめる演出へのニーズも高まっています。庭は単なる景観要素ではなく、暮らしの質や心の豊かさにも影響を与える存在なのです。
4.空き家再生を進めるための準備と心構え
空き家をリフォームや売却・賃貸へとつなげていくには、法的・技術的な確認が前提となります。建物が建築基準法に適合しているか、耐震性や接道義務、用途地域の制限などの調査は必須です。また、土地についても、所有権や境界の明確化、必要に応じての測量が求められます。こうした準備を経てこそ、はじめて“庭まで含めた空き家活用”の道筋が見えてきます。空き家の再生は、そこに宿る思い出と、次の暮らしをつなぐ架け橋。自分で住むにしても、貸す・売るにしても、「庭を活かす視点」を持つことが新たな価値創出の第一歩になるでしょう。
※保立美智子氏は、住宅や商業施設のガーデン・インテリア空間づくりに関する豊富な実績を持つガーデンデザイナーです。主な経歴は以下の通りです。
1997年 東京12ch「TVチャンピオン 第1回ガーデニング王選手権」の初代チャンピオンに選ばれました。
2002年 国内最大級のガーデンショー「国際バラとガーデニングショー」にて「ホワイトガーデン」を発表し、好評でした。
2011年 NHK「趣味の園芸」にて「ガーデンズエンジェル」として講師を務めました。
1999~2016年 (株)うかいの環境美術デザイナーとして、美術館やレストランの立ち上げ、内装設計、造園設計・施工管理を担当。
芝公園の飲食店が 「港区みどりの街づくり景観」で表彰されました。
現在では、遊休不動産の利活用を事業とする(株)M&H REパートナーズを設立して、住空間リノベーション事業を展開し、ハウス&ガーデンデザイン
や商業施設の景観装飾を手がけ、心地よくスタイリッシュな空間を提供している。
保立美智子氏の経歴や作庭作品の写真等については、下記URLをご参照ください。
https://jagdesigner.jp/designer/designer-4056/
なお、ご関心がある方は坂部綜合会計までお問合せ下さい。
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私のオススメ 「 ウサギの島 」
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広島県忠海港からフェリーで約15分の大久野島へ行ってきました。瀬戸内海に浮かぶ大久野島はかつては毒ガス実験が行われ、作戦を隠すため島は日本地図から消されていた時期もあったようです。
近年は5~600羽のウサギが棲息していることから、SNSなどの影響で「ウサギの島」として一躍人気が高まっていますが、島内には毒ガス資料館や毒ガス施設の残骸もあり、過去の歴史(現実)から目を逸らすことはできません。
ウサギに誘われてでもよし、平和の大切さを改めて考えるという意味でも、是非とも訪れていただきたい場所です。
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あとがき
新年度がスタートした。最近は新入社員の入社3年以内の離職率が3割超を維持しているという。労働者人口が減少している今、採用した人材がすぐに退職することは会社にとっても大きな痛手だ。まずは社員が辞めない会社を目指すことが大切だが・・じゃあどうすればいいのか、永遠の課題である。(喜志)