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(発行日 2014年6月4日) 編集・発行 株式会社 アサヒ・ビジネスセンター

はじめに

代表取締役・税理士  坂部 達夫

 物事には一つの流れのようなものを感じるときがあります。自然のことわりというか、なってしかるべき事柄です。
例えば、朝は晴れで午後から雨予報なのに、それを知らずに傘なしで外出し、雨が降り出すと慌てて雨宿りをしたり、
コンビニに飛び込んでビニール傘を買う。予報を知って傘を持っている人は、その行動を見て準備の悪い人だなと思うでしょう。
 経営の現場でも、同じようなことがあります。例えば、会計事務所が提示した試算表を見て、利益が出ているからと安心して、先の資金のことを考えずにいると、突然今月末の支払い資金がなくて慌てる経営者を見ます。試算表では、たまたま未回収の売上がたくさんあることが原因で利益という結果が出ます。しかし、足元の資金を見落とすことが原因で、慌てて資金調達に走るという結果になります。  
 天気予報も資金繰りも同じように、知るか知らないかで結果が変わる、因果の連綿を感じます。

 

 

今月のトピックス

成長戦略の経過と問題点 


中小企業診断士  伊藤 恒人


今月、アベノミクスの3本目の矢である成長戦略の新たな方針が策定されることになっています。そこで、今まで公表されている「成長戦略」について、その経過と問題点を考えてみます。

1.日本再興戦略
昨年6月に、アベノミクスの第三の矢である成長戦略の具体的な方針が「日本再興戦略」として、閣議決定され、その内容が公表されました。
「日本再興戦略」は、下記の3つのアクションプランを打ち出しています。
(1)日本産業再興プラン
このプランでは、民間投資を拡大し、設備及び産業の新陳代謝の促進を図る。雇用維持型から労働移動支援型へ政策転換する。科学技術イノベーションを強化する。国家戦略特区によって規制改革を実現を実現する。などの方針と目標が定められています。
(2)戦略市場創造プラン
課題をバネに新たな市場を創造する観点から、課題先進国としての現状を攻めの姿勢で捉え、健康寿命の延伸、クリーンなエネルギー需要、次世代インフラの構築、農業など地域資源で稼ぐ社会を実現すること等についての計画です。
(3)国際展開戦略
拡大する国際市場を獲得する観点から、日本経済のグローバル依存度の高まりを攻めの姿勢で捉え、TPPなど戦略的通商関係の構築、クールジャパンなど海外市場の獲得、グローバル人材育成などを推進する方針です。

2.産業競争力強化法
昨年12月に、上記の「日本再興戦略」に盛り込まれた施策を確実に実行し、日本経済を再生し、産業競争力を強化することを目的として、「産業競争力強化法」が成立しました。 この法律は、産業競争力強化のために、日本経済の3つの歪み、「過剰規制」、「過小投資」、「過当競争」を是正し、そのキードライバーとしての役割を果たすものとして、「創業期」「成長期」「成熟期」「停滞期」といった事業の発展段階に合わせた支援策を設けて、事業の新陳代謝を促進しようとしています。

3.成長戦略進化のための今後の検討方針
今年1月、日本経済再生本部は、「成長戦略進化のための今後の検討方針」を策定し、成長戦略において残された課題として掲げられた3分野、すなわち、雇用・人材、医療・介護、農業を中心に、今後の検討方針を取りまとめました。
なお、実現のスピードをあげるために、先駆的な規制・制度改革は、国家戦略特区や企業実証特例制度を積極的に活用することを明示しています。この検討方針は意欲的な内容ですが、懸案の解雇規制の見直し、混合診療の解禁、農地の企業所有の容認等、岩盤規制の改革には踏み込まれていません。

4.岩盤規制の改革
アベノミクスを打ち出した当初は、首相自身が既得権益の岩盤を打ち破るドリルの刃になると言って、企業のグローバル化、国家戦略特区の推進、医療・農業・雇用制度の規制緩和など、構造改革を成長戦略の基本に据えていました。しかし、実際に政府が成長戦略としてまとめた「日本再興戦略」は、従来と変わらない縦割型の業界支援が中心で、構造改革は事実上の骨抜きにされています。その結果、こうした政府の姿勢に海外の投資家は嫌気がさして株価が低迷しているという批判があります。
そのような批判に対応するために、当初の予定になかった法人税の減税を6月の新方針に入れることを検討しています。
しかし、本来岩盤規制を打ち破ることが重要なテーマであり、それに取り組むことが期待されているのに、その改革なしに法人税減税をやっても、単なる付け焼刃になってしまうと思われます。成長戦略は、第一の矢の金融政策、第二の矢の財政政策とは異なり、持続的な経済成長を実現するための長期的な政策ですから、ドリルの刃となって抜本的な改革を期待します。

私の部屋    「 新しい部屋  」

  

 今年の1月末に自宅の建替え工事が完了しました。家が新しくなるということで、今まで使っていた私の部屋の家具は全て処分して、新しく買い換えようと思っていたのですが、引越しをしてからインフルエンザにかかったり、確定申告があったりして、なかなか家具を選んだり、整理をする時間がなく、部屋にはずっと山積みのダンボールが・・・。
部屋の片づけが終わり、友人を自宅に招待できるようになるまでにはもう少し時間がかかりそうです。

 

あとがき

 爽やかな春風を感じたのも束の間、梅雨を通り越して真夏の陽気です。こんなに暑い日が続くと、しっとりした雨が恋しくなります。
雨に似合う花と言えば、アジサイです。雨に濡れた紫陽花は、鮮やかに色が映え、心を和ましてくれます。傘を差し観賞したいものです。(高田)

(編集者:小高・高田・坂本・佐藤・坂部啓)

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